タイル外壁の種類や特徴、メンテナンス方法を解説
住宅の外壁の素材にはいくつか種類がありますが、タイルを使ったものに「タイル外壁」があります。
この記事では、タイル外壁の種類と特徴、メリット・デメリット、メンテナンスの方法などについて解説します。
タイル外壁とは?
タイル外壁とは、タイルを敷き詰めて構成する外壁素材です。
タイルの素材により特性が異なりますが、耐久性が高く、汚れにくいなどの特徴があります。
様々なデザインに対応できるため、外観にこだわりたい方に人気があります。
タイル外壁の種類
タイル外壁には、素材により種類があります。
ここでは、タイル外壁の種類を紹介します。
✅磁器質
磁器質タイルは、石英や長石などを1200~1350度という非常に高温で焼成したタイルです。
これにより、タイル自体が非常に硬く、吸水性が低いので耐水性や、さらに耐凍害性、耐摩耗性に優れています。
磁器質タイルは、外壁材として非常に人気があり、特に風雨にさらされる場所や温度変化が大きい環境で使用されます。そのため外壁だけでなく、公共の床タイルにも使用されます。
また、色落ちや汚れに強く、長期間美しい状態を保つことができるのも特徴です。さらに、光沢があり、洗練された外観を持つため、高級感を求める住宅や商業施設に適しています。
✅せっき質
せっき質タイルは、粘土を1200度前後の温度で焼き固めて作られたタイルで、一般的には陶磁器と似た性質を持ちます。
磁器質タイルよりも柔らかくて吸水率が高いですが、素地は硬く、耐候性に優れます。
素焼きの素朴な風合いを生かしたデザインが多く見られます。
✅陶器質
陶器質タイルは、陶土や石灰などの原料を1000度以上の高温で焼き上げて作られたタイルで、一般的に中程度の強度を持っています。吸水率は、先の磁器質やせっき質のタイルよりも高くなっています。
陶器質タイルは、吸水性がやや高いため、長期間雨や湿気にさらされる場所での使用には注意が必要です。釉薬をつけて仕上げた内装タイルが多く見られます。
✅土器質
土器質タイルは、800度程度の温度で焼成したタイルです。このタイルは、他のタイルと比較して吸水性が高く、耐久性に欠けるため、外壁や長期間使用する場所にはあまり適していません。
しかし、その素朴で温かみのある風合いから、住宅の内装や庭の装飾、プランターなどのアクセントとして利用されることがあります。
タイル外壁の形状
タイル外壁には、形状の種類があります。ここでは、タイル外壁の形状について解説します。
平物タイル
平物タイルは、壁面や床面を構成する、正方形や長方形の一般的なタイルを指します。
役物タイル
平物タイルでは収まりにくい、建物のコーナーや接合部、出隅などの特定の部分に使用される、特殊な形状をしたタイルが役物タイルです。面取りタイルや三角出隅タイルなど様々な種類があります。
タイル外壁のサイズ
タイル外壁にはサイズの種類があります。ここでは、タイル外壁のサイズについて解説します。
小口平タイル
幅が108mm×高さ60mのサイズの外壁タイルが小口平タイルです。これまレンガの小口面と同じサイズになっています。
50角タイル
50角タイルは、1辺が50mmの正方形のタイルです。
50角タイルよりも小さいサイズのタイルは、モザイクタイルと呼ばれています。
二丁掛タイル
二丁掛タイルは、サイズが227×60mmで、小口平タイル二枚分に目地の幅を加えたサイズとなっています。
50二丁(45二丁)タイル
50二丁(45二丁とも呼ばれる)タイルは、50角タイル2枚分の45mm×95mm(目地を含めた寸法で50mm×100mm)サイズがあり、マンションなどでよく使用されています。
ボーダータイル
細長い形状で、一般的なサイズに当てはまらないものをボーダータイルと呼んでいます。227×30mmが基本サイズで、様々なサイズがあります。アクセントとして使われることが多いです。
タイル外壁の施工方法
タイル外壁の施工には、以下の2つの工法があります。
「☑湿式工法」は、セメントと砂を水で練ったモルタルを使って、下地にタイルを貼り付けていく工法です。
職人の技術によって施工品質にバラつきが出やすく、水を使用するため、天候によっては工期が長くなることがあります。
「☑乾式工法」は、接着剤を使って、ベース用サイディングの上にタイルを貼り付けていく工法です。
湿式より耐震性が高く、天候に関係なく施工できるため、湿式より工期が短めになります。
現在では接着剤の性能が進化しているため、乾式工法が主流です。
タイル外壁のメリット
ここでは、タイル外壁のメリットについて解説します。
高級感のある外観に仕上がる
タイル外壁は、高級感のある外観に仕上がる点がメリットです。
タイルの素材を活かすことで、外壁を高級感と重厚感のある仕上がりにできます。
対応できるデザインが多く、モダン風から海外の建物、和風など、幅広いテイストに対応できます。
耐久性が高く傷や汚れがつきにくい
タイルは、耐久性が高く、経年劣化が起きにくい素材です。
タイルは吸水性がほとんどないため、雨風にさらされてもダメージを受けにくく、汚れもつきにくくなっています。
また、非常に硬い材質のため、傷がつきにくいなど、耐久性や耐候性も優れています。
メンテナンスの手間がかからない
タイル外壁は、頑丈で劣化しにくいため、メンテナンスの手間がかからないのもメリットです。
タイル外壁は、基本的には半永久的に使用できるとされています。
ただし、タイル素材自体に問題がない場合でも、タイルと外壁の接着が弱まることで浮きが発生した場合は、メンテナンスが必要になります。
タイル外壁のデメリット
ここでは、タイル外壁のデメリットについて解説します。
初期費用が高い
タイル外壁は、サイディングやALCなどの外壁素材と比較すると、初期費用が高くなります。
ただし、メンテナンスの手間があまりかからないため、他の素材と比較すると、長期的なコストは安くなるケースもあります。
予算が許すのであれば、長期間に考えてコストを抑えることが可能です。
コーキング材が劣化しやすい
タイル外壁は、コーキング材が劣化しやすいのがデメリットです。
コーキング材は、タイルの目地や、窓のサッシの周辺などに流し込まれる素材で、雨漏りや漏水を防ぎます。
コーキング材はタイル部分とは異なり、劣化しやすいため、他の外壁素材と同様に約7年~10年に1度のメンテナンスが必要です。
ただし、コーキング材の施工の方が、塗り替えよりも低価格で行えます。
耐震性が低め
タイル外壁は、耐震性が低めという点がデメリットです。
タイル自体の強度は高いため地震で壊れる可能性は低いのですが、下地に用いるモルタルに耐震性の問題があります。
モルタルは弾力性が低いため、地震で外壁に力がかかった際にエネルギーを吸収できず、タイルがはがれてしまう可能性があります。
近年では、比較的耐震性が高い下地も開発が進んでいますので、不安な方は業者に相談しましょう。
剥離する危険がある
タイル外壁は、接着剤を使用して外壁に貼り付けていきます。
そのため、きちんと施工がされていないと、タイルが剥離する危険性があります。
また、タイル自体とは異なり、接着剤の寿命は半永久的には持ちません。
そのため、施工には信頼できる業者に依頼するようにしましょう。
信頼できるかどうかは、タイル外壁の施工実績が豊富かどうか、相談に訪れた際の対応などから判断しましょう。
タイル外壁のメンテナンス方法
ここでは、タイル外壁のメンテナンス方法について解説します。
基本は表面を水洗い
タイル外壁のメンテナンスは、基本的には表面の汚れを水洗いする程度で問題ありません。
タイル外壁は汚れがつきにくい外壁素材ですが、年月が経過すると汚れが目立つようになります。
汚れが気になるようになったら、ホースで水をかけるなどして、水圧でタイルの汚れを落としましょう。
付帯部や目地は定期的な補修が必要
もしタイルのつなぎ目の目地に劣化がある場合は、業者に依頼して補修してもらう必要があります。
そのまま放置していると、タイルが剥がれ落ちる危険性があります。
メンテナンスを行う必要はありませんが、定期的に劣化していないかどうか確認するようにしましょう。
タイル外壁で後悔しないポイント
ここでは、タイル外壁で後悔しないためのポイントについて解説します。
トータルコストで費用計算する
タイル外壁は、初期費用が他の外壁素材よりも約1.5倍ほど高額になります。
ただし、メンテナンスの手間がかからないため、長期間なコストは他の素材よりも低く抑えることができます。
一般的な家屋は数十年単位で住むことが多いため、今後のメンテナンス費用を考慮した、トータルコストで計算するのが重要です。
タイル外壁の実績が豊富な業者を選ぶ
タイル外壁を施工する場合は、タイル外壁の実績が多く、扱いに慣れている業者に依頼しましょう。
タイル外壁に慣れていない業者だと、タイルが剥がれ落ちたり、シーリング材がむきだしになっていたり、タイルがずれて貼られてしまうなどの施工不良が起きる可能性が高くなります。
業者に依頼する前には、タイル外壁の施工実績が豊富かどうかで判断しましょう。
まとめ
ここまで、タイル外壁の種類と特徴、メリット・デメリット、メンテナンスの方法について解説しました。
タイル外壁は、耐久性が高いため、メンテナンスの手間がかからないという特徴があります。
また、外観を高級感のある仕上がりにできるため、外壁の外観にこだわりたい方におすすめです。
ただ、他の外壁素材よりも価格が高く、初期費用がかかるのがデメリットです。
タイル外壁は初期費用はかかりますが、メンテナンスの手間が少ないため、長期的なコストを抑えることができるため、トータルコストから検討するようにしましょう。
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