サイディング外壁の種類や特徴、メンテナンス方法を解説
一般的な住宅で使われる外壁には様々な種類がありますが、現在最もよく使われているものに「サイディング外壁」があります。
サイディング外壁には、大きく分けて窯業系・金属系・樹脂系・木質系の4種類があります。
最も使用されている窯業系サイディングは、約10年ごとの塗装と、7〜10年ごとのシーリング交換が必要です。さら色あせ、チョーキング(触ると白い粉がつく状態)、コーキングのひび割れが出ていたら、防水性が落ちているサインです。
この記事では、窯業系・金属系・樹脂系・木質系の4種類の特徴と、塗料別の塗り替え周期、劣化がひどい場合の重ね張り・張り替えの費用目安を解説します。
サイディング外壁とは?

サイディング外壁とは、板状のサイディングボードを貼り付けた外壁です。
サイディングは外壁素材で最も使われていて、現在新築で使われている外壁素材のほとんどがサイディング外壁となっています。
また、リフォームでもサイディング外壁が使われることが多く、一般住宅では大半がサイディング外壁となっています。
サイディング外壁の特徴
サイディング外壁には、以下のような特徴があります。
- 最もよく使われている外壁素材
- 材料費・施工費が安い
- 軽量で耐震性が高い
- 既存の外壁の上に貼って施工できる
- デザインが豊富
安価で性能が高く、デザインが豊富であるため、ほとんどの住宅の外壁に対応できます。
外壁材の種類と比較~サイディングのメリット・デメリット
住宅の外壁には、サイディング、モルタル、ALC、タイル、塗り壁、板張りなどの種類があります。その中でサイディングは、費用・軽さ・デザイン性のバランスが良く、新築・リフォームともに最も選ばれている外壁材です。
ここでは、他の外壁材と比較しながら、サイディングが選ばれる理由と注意点を解説します。
主な外壁材の比較
| 外壁材 | 特徴 | メリット | デメリット | メンテナンスの目安 |
|---|---|---|---|---|
| サイディング | 場で作った板状の外壁材を貼る | 費用が抑えやすい/軽量/デザインが豊富/施工しやすい | 目地(つなぎ目)ができる/種類により塗装やシーリングの補修が必要 | 種類により異なる(後述) |
| モルタル | セメントと砂を水で練り、現場で塗って仕上げる | 継ぎ目がなく、自由なデザインにできる | 重い/ひび割れしやすい/職人の技術で仕上がりが変わる | 約10年ごとの塗装、ひび割れ補修 |
| ALC | 軽量気泡コンクリートの板を貼る | 耐火性・断熱性・遮音性が高い | 吸水しやすく、防水メンテナンスが欠かせない/板同士の目地補修が必要 | 約10年ごとの塗装、シーリング補修 |
| タイル | 粘土などを焼き固めた板を貼る | 耐久性が高く、色あせしにくい/塗装がほぼ不要 | 初期費用が高い/重い/目地の点検が必要 | 目地・シーリングの点検補修 |
| 塗り壁(漆喰・珪藻土など) | 左官職人が壁材を塗って仕上げる | 自然な質感/調湿性がある | 汚れやひび割れが出やすい/施工できる業者が限られる | 数年〜10年ごとの補修・塗り替え |
※メンテナンス周期は目安です。施工環境や使用する材料によって変わります。
サイディングが選ばれる理由
比較表のとおり、外壁材にはそれぞれ長所と短所があります。その中でサイディングが多くの住宅で選ばれているのは、次の4つの理由からです。
① 費用を抑えやすい
工場で生産された規格品のため、材料費・施工費を抑えやすく、タイルや塗り壁と比べて初期費用が安く済みます。
② 軽量で建物への負担が小さい
モルタルは同じ面積でサイディングの2倍以上の重さになることがあります。外壁が軽いほど建物への負担が小さく、地震の揺れにも有利です。モルタルからサイディングへリフォームすると、耐震性の向上が期待できます。
③ デザイン・色・質感が豊富
レンガ調、石材調、木目調、モダンなタイプなど、幅広いデザインから選べます。家の雰囲気に合わせやすく、ほとんどの住宅に対応できます。
④ 重ね張りでリフォームできる
既存の外壁を解体せずに、上から新しいサイディングを張り付ける「重ね張り(カバー工法)」が可能です。工期が短く、解体費用や廃材処分費も抑えられます。
サイディングで注意したい点
サイディングは使いやすい外壁材ですが、次の点には注意が必要です。
目地(つなぎ目)にシーリングが必要
ボードをつなぎ合わせるため、目地ができます。この目地(隙間)を埋めるためにシーリングが使用されますが、シーリングは経年劣化するため、約7〜10年を目安に補修が必要です。
種類によって注意点が異なる
たとえば窯業系は素材自体に防水性がないため、塗装で防水性を保つ必要があります。金属系は傷やへこみに注意が必要です。
施工の丁寧さで差が出る
窓まわりなどでボードを切り合わせる部分は、職人の技術が仕上がりに表れます。
次の章では、サイディングの4つの種類(窯業系・金属系・樹脂系・木質系)の特徴を、メリット・デメリットとあわせて詳しく解説します。
サイディング外壁の種類と特徴
サイディング外壁には、種類がいくつか存在します。
ここでは、サイディング外壁の種類と特徴について解説します。
窯業(ようぎょう)系サイディング

「窯業系サイディング」は、日本の新築住宅の約70%で採用されている外壁素材です。
セメントや繊維質が主な原料で、素材を練り板状に窯で固める方法で製造されています。
デザインやカラーが豊富なので、自分好みの外壁にしたい方におすすめです。
素材自体に防水性がないため、塗装によるメンテナンスが重要です。
窯業系サイディングのメリット
窯業系サイディングのメリットは、デザイン性が高く種類が豊富な点があります。
また、防火性能に優れていて、衝撃や地震などの揺れにも比較的強い点もメリットです。
他にも、低価格であるため多くの外壁で採用されています。
近年では、色褪せや変色を抑える加工を施した製品や、汚れが落ちやすい効果のある製品など、機能性に優れたものも販売されています。
窯業系サイディングのデメリット
窯業系サイディングのデメリットとしては、セメント質が主材であり、防水性が低いため定期的な塗装による防水性の保持が欠かせません。また継ぎ目を埋めるコーキングの打ち替えも必要となります。
素材の性質上、熱を蓄積するため、夏場に室内の温度が高くなりやすい点があります。
もし気になる場合は、遮熱効果や断熱効果のある塗料を使用することで対策しましょう。
金属系サイディング

「金属系サイディング」は、窯業系サイディングの次に使われているサイディング外壁です。
ガルバリウム鋼板・ステンレス・アルミなどの耐久性が高い金属を原料とし、断熱材を用いた裏打ち材と組み合わせて成型しています。
モダン・スタイリッシュな外観になるのが特徴です。
金属系サイディングのメリット
金属系サイディングのメリットは、断熱材一体型のものは断熱性に優れているため寒さに強く、寒冷地の住宅に適しています。
また、窯業系サイディングよりも素材が丈夫であり、ひび割れなどが起こりにくく、コーキングの打ち替えの頻度が低いなどメンテナンスの手間がかからない点もメリットです。
金属系サイディングのデメリット
金属系サイディングのデメリットとしては、素材が薄いため、傷やへこみが付きやすい点があります。(近年の断熱材付きのものは昔よりも傷がつきにくくなってきています)
また、窯業系サイディングと比較すると、初期費用が高い傾向があります。
金属系サイディングの中で広く使用されているのがガルバリウム外壁です。最近ではシェアの9割を占めています。
ガルバリウム鋼板は、アルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%のメッキをほどこした薄い金属で、錆びにくく、耐用年数が25~30年と長いのが特徴です。
詳しくは下記をご参照ください。
樹脂系サイディング

「樹脂系サイディング」は、強度が高い樹脂素材を使った外壁素材です。
樹脂系サイディングは、北米で考案された外壁素材で、アメリカやカナダで普及していて、近年日本でも注目されるようになりました。
価格相場は1㎡あたり7,000円と高めですが、塗り替えが不要なのでメンテナンスの頻度が少なく済むため、メンテナンス費用を抑えることができます。
樹脂系サイディングのメリット
樹脂系サイディングは、塩害や冷害などに強く、高い耐候性が特徴です。
そのため、海沿いの地域や寒暖差の大きい地域でもサビが発生せず、劣化しにくいの点がメリットです。
また、補修のメンテナンスがほぼ不要で、長期間美しい状態を保持することができます。
樹脂系サイディングのデメリット
樹脂系サイディングのデメリットとしては、素材が軽くて薄いため、他の素材よりも遮音性が低い点があります。
また、現在は日本で樹脂系サイディングに対応できる施工業者が少ない点もデメリットと言えます。
木質系サイディング

「木質系サイディング」は、木材を板状に加工した外壁材です。天然木のものと、木材繊維などを成形したものがあります。
素材として一枚板を使う場合や、集成材を使う場合などがあり、使う素材によって価格やデザインが異なります。
木の質感の味わいのある外観になるため、カントリー風や山小屋風の住宅にしたい場合におすすめです。
木質系サイディングのメリット
木質系サイディングのメリットは、天然木を使用するため温もりある外観にできる点です。
また、熱を吸収しにくい素材のため、断熱性が高いのも特徴です。
木質系サイディングのデメリット
木質系サイディングのデメリットは、他のサイディング外壁と比べて価格が高い点です。
また、木製であるため耐水性が低く、経年劣化しやすい点もデメリットです。
他にも、施工が難しいため、施工できる業者が少ない点も注意しましょう。
サイディング外壁のメンテナンス周期
サイディング外壁は、サイディングそのものを保護する表面のコーティングや、サイディングの隙間を埋めるシーリングについて、定期的に補修・メンテナンスする必要があります。
具体例には、表面のコーティングを塗りなおす塗装工事や、シーリングを打ち直す工事が必要です。
サイディングの表面のコーティングが劣化して剥がれ落ちると、建物内部に雨水が浸入し、構造部分を傷めてしまうことがあります。
メンテナンスの周期の目安は、
・アクリル塗料の塗装で6~8年
・ウレタン塗料の塗装で8~10年
・シリコン塗料の塗装で12~15年
・フッ素塗料の塗装で15~20年
・シーリングの交換が7~10年
となっています。
ただし、実際のメンテナンスのタイミングは、サイディングの劣化状況から判断することが必要です。
サイディング外壁のメンテナンス

ここでは、サイディング外壁のメンテナンス方法について解説します。
サイディング塗装の劣化
サイディングの表面は塗装することでコーティングしますが、時間が経つと次第に劣化します。
サイディングの表面に、色あせやチョーキング、剥がれ、カビなどが発生した場合は、防水性能が低下しているため、塗装のメンテナンスが必要です。
塗り替えの塗装は10年が目安で、費用は使う塗料の種類によって異なります。
目地、コーキングの劣化
サイディング外壁は、つなぎ目にコーキングを施工しますが、このコーキング材も経年劣化します。
コーキング材が劣化すると、ひび割れや断裂、肉やせが発生します。
このような劣化症状が発生した場合は、早めに補修が必要であるため、定期的な点検が不可欠です。
メンテナンスの方法としては、コーキングの打ち直しが必要です。
打ち直しは、自分で補修することもできますが、高所の作業が必要な場合などは業者に依頼しましょう。
サイディング外壁の塗装リフォーム
サイディング外壁は、10年ごとに塗装のメンテナンスが必要ですが、外壁の状況によってはリフォームが必要な場合があります。
外壁のリフォームは、以下の2通りの方法があります。
✅重ね張り(カバー)工事
重ね張り工事は、サイディングに大きな穴や剥がれがあり、塗装だけでは対応できない場合に、既存の外壁の上から新しいサイディングを張り付ける工事方法です。
サイディングの素材により費用が異なりますが、一般的な住宅の場合、130〜220万円程度の費用に加えて、諸経費や高所作業費などが追加されます。
✅張り替え工事
張り替え工事は、サイディングの下地まで傷んでいる場合に、古いサイディングを撤去し、新しいサイディングに張り替えを行う工事です。
費用は約150〜230万円程度と、重ね張り工事よりも高額になりますが、耐久性や外観の美しさを得ることができます。
まとめ
ここまで、サイディング外壁の種類と特徴、メリット・デメリット、メンテナンスについて解説しました。
サイディング外壁は、安価で軽量であるため施工しやすく、デザインや色が豊富なのが特徴で、現在一般住宅で最も使用されている外壁素材です。
サイディング外壁には窯業系・金属系・樹脂系・木質系の4種類があり、そのうち窯業系サイディングが大きなシェアを占めています。
種類によってメリットデメリットが異なり、特に窯業系サイディングでは、防水性を確保するため、表面を塗装する必要があり、10年を目安に塗装のメンテナンスが必要です。
サイディング外壁がさらに劣化している場合は、重ね張り工事や張り替え工事などのリフォームが必要なケースもあります。
サイディング外壁を長持ちさせるためにも、お家の外壁の種類に合わせた定期的なメンテナンスが重要です。
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